ローコード

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PowerPlatformコラム第7回【Power Automateの失敗事例とその改善策】

日本システム開発株式会社はPower Automateを中心としたローコードサポートサービスを提供しています。


Power Automateを導入すれば、必ずしも業務が効率的になるというわけではありません。
RPAはその特性上とても繊細なモノであり、きちんとしたルール作りが行われていなければ、導入効果は薄れていきます。
このコラムではPower Automateの導入に失敗する要因とその改善策を4つ紹介しています。

Power Automateの失敗事例とその改善策

◎過度な自動化による業務の硬直化

ある製造業の企業では、業務効率化を目指してPower Automateを導入し、可能な限り多くのプロセスを自動化しようと試みました。

しかし、この取り組みは予期せぬ問題を引き起こしました。

過度に自動化されたプロセスは、例外的な状況や急な変更に対応できず、かえって業務の硬直化を招いてしまったのです。

 

例えば、受注処理のフローを完全に自動化したところ、特殊な要望を持つ顧客への対応が困難になりました。

システムは標準的な処理しかできず、柔軟性を失ってしまったのです。

この結果、顧客満足度の低下や、従業員のフラストレーション増大につながりました。

 

<改善策>

この問題を改善するためには、自動化の範囲を適切に設定することが重要です。

全てのプロセスを自動化するのではなく、定型的で変更の少ない業務に焦点を当てるべきです。

また、例外処理や人間の判断が必要な部分を明確にし、それらをフローに組み込むことで、柔軟性を維持することができます。

さらに、定期的にプロセスを見直し、必要に応じて調整を行うことも重要です。

◎セキュリティリスクの見落とし

ある金融サービス企業では、顧客データの処理を効率化するためにPower Automateを導入しました。

しかし、セキュリティ面での考慮が不十分だったため、深刻な問題が発生しました。

自動化されたフローが顧客の機密情報を不適切に処理し、データ漏洩のリスクを高めてしまったのです。

 

具体的には、顧客の個人情報を含むファイルが、適切な暗号化や認証プロセスを経ずに、社内の異なる部門間で自動的に共有されるようになっていました。

この問題が発覚したとき、企業は大きな信頼損失と法的リスクに直面しました。

 <改善策>

この失敗を改善するためには、セキュリティを最優先事項として考える必要があります。

Power Automateのフローを設計する際はデータの暗号化、アクセス制御、監査ログの設定などのセキュリティ機能を積極的に活用すべきです。

その他にも、従業員に対してセキュリティ意識向上のためのトレーニングを行い、自動化プロセスにおけるセキュリティの重要性を理解させることも効果的です。

◎不適切なフロー設計によるシステム負荷

ある小売業者は、在庫管理を効率化するためにPower Automateを導入しました。

しかし、フローの設計が不適切だったため、システムに過度の負荷がかかり、パフォーマンスの低下を招きました。

 

具体的には、在庫データの更新を頻繁に行うフローを設計したところ、データベースへの過剰なアクセスが発生し、システム全体の応答速度が低下しました。

さらに、このフローは他の重要な業務プロセスにも影響を与え、店舗運営に支障をきたすまでになりました。

 <改善策>

この問題を解決するためには、フロー設計の最適化が必要です。

不必要に頻繁な処理を避け、一定数のデータを集めてからまとめて処理をするなど、Power Automate制限(コネクタへのすべてのAPIリクエストなど)を考慮したうえで効率的に使用する方法を検討すべきです。

また、Power Automateの機能を十分に理解し、適切なトリガーやアクションを選択することも重要です。

さらに、テスト環境でのパフォーマンス検証や、段階的な導入を行うことで、本番環境への影響を最小限に抑えることができます。

◎ユーザートレーニングの不足

あるIT企業では、社内の承認プロセスを効率化するためにPower Automateを導入しました。

しかし、従業員に対する適切なトレーニングが行われなかったため使用頻度も低く、導入後も期待した効果が得られませんでした。

 

この事例は、多くの従業員がPower Automateの基本的な操作方法を理解できず、自動化されたフローを正しく利用できなかったケースになります。

その結果、手動での処理が継続され、自動化の利点を活かせない状況が続きました。

また、一部の従業員が誤ってデータを書き換えたことでヒューマンエラーが発生し、承認プロセスに混乱が生じました。

 <改善策>

この問題を改善するためには、包括的なトレーニングプログラムの実施が不可欠です。

Power Automateの基本的な操作方法から、使用するロボットのドキュメントの確認、セキュリティ上の注意点まで、段階的に学習できるカリキュラムを用意すべきです。

また、実際の業務に即した具体的な事例を用いたハンズオントレーニングを行うことで、従業員の理解度を高めることができます。

さらに、継続的なサポート体制を整え、質問や問題が発生した際に迅速に対応できるようにすることも重要です。

まとめ

これらの失敗事例から学ぶべき重要な教訓は、Power Automateの導入には慎重な計画と継続的な改善が必要だということです。

適切な範囲での自動化、セキュリティへの配慮、効率的なフロー設計、そして十分なユーザートレーニングを行うことで、Power Automateの真の力を引き出し、業務効率化と生産性向上を実現することができるのです。

 

日本システム開発株式会社ではクラウド型の「Power Automate」とデスクトップ型の「Power Automate for desktop(PAD)」の双方において、ご紹介したような失敗を起こさないための幅広いサービスを展開しています。

もし導入のご希望やお困りごと、Power Automate/PADに関するご不明点等ありましたら、お気軽にお問合せください。

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