ローコード

日本システム開発株式会社からローコードに関するコラムをお届けします。

様々なローコードツールでの実績に基づき、ローコードでの効率化の方法や簡単なロボットの作り方などを発信します。

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PowerPlatformコラム第13回【Power Automate for desktopによるレガシーシステムの延命と近代化】

日本システム開発株式会社はPower Automateを中心としたローコードサポートサービスを提供しています。

 

多くの企業が直面しているレガシーシステムの問題。

完全な刷新には莫大なコストと時間がかかるため、既存システムを活かしつつ段階的に近代化を進める方法が求められています。

Power Automate for desktop(以下、PAD)は、このような状況下で非常に有効なツールとなります。

このコラムでは、PADを活用したレガシーシステムの延命と近代化の方法について解説します。

レガシーシステムとPADの親和性

レガシーシステムとは

レガシーシステムとは、過去の技術や仕組みで構築されている古いシステムのことを表します。

構築から20年以上も経過しているシステムも多く、基幹システムとなっていることも多いことから使い続けられているシステムです。

クラウド化が進んでいる現代においては、オフィスコンピュータやメインフレームといったオンプレミス型のシステムが代表例として挙げられます。

 

PADの特徴

PADは、デスクトップアプリケーションの操作を自動化できるツールです。

GUIベースの操作が可能で、プログラミング経験がなくても利用できます。

※「GUI」とはグラフィカルユーザーインターフェイスの略で、コンピュータなどの電子機器を操作するための視覚的な要素を使用することです。

レガシーシステムとの相性

多くのレガシーシステムはデスクトップアプリケーションとして動作しています。

PADはマウスやキーボードを使って、これらのアプリケーションを直接操作できるため、レガシーシステムとの親和性が非常に高いのです。

データ連携の自動化

課題:データの二重入力

レガシーシステムと新システムを並行運用する場合、データの二重入力が発生しがちです。

これは業務効率の低下や入力ミスの原因となります。

PADによる解決策

PADを使用して、レガシーシステムから新システムへのデータ転記を自動化できます。

例えば、以下のようなフローを作成します:

  1. レガシーシステムにログイン
  2. 必要なデータを抽出するための操作を自動実行
  3. 抽出したデータを整形
  4. 新システムにデータをインポート

これにより、人手による二重入力を排除し、効率化とエラー削減を同時に実現できます。

レポート作成の効率化

課題:複雑なレポート作成プロセス

レガシーシステムでは、複数のステップを経て必要なデータを抽出し、レポートを作成することが多々あります。

PADによる解決策

PADを使用して、レポート作成プロセスを自動化できます:

  1. レガシーシステムにログイン
  2. 必要なデータを抽出するための操作を自動実行
  3. 抽出したデータをExcelなどに転記
  4. レポートテンプレートに沿ってデータを整形
  5. 完成したレポートを指定フォルダに保存or関係者にメール送信

これにより、レポート作成にかかる時間を大幅に削減し、より頻繁かつタイムリーな情報提供が可能になります。

APIが存在しないシステムとの連携

課題:システム間連携の困難

レガシーシステムの多くはAPIを持っておらず、他システムとの連携が困難です。

PADによる解決策

PADを「疑似API」として活用することで、APIのないシステム間でもデータ連携が可能になります:

  1. レガシーシステムにログイン
  2. 必要なデータを抽出するための操作を自動実行
  3. 抽出したデータを中間ファイル(CSVなど)に保存
  4. 別のPADフローで中間ファイルを読み込み、連携先システムにデータを投入

この方法により、APIがなくてもシステム間連携を実現できます。

バッチ処理の自動化

課題:手動バッチ処理の非効率性

レガシーシステムでは、夜間バッチなどの定期的な処理を手動で行うことが多く、人的リソースの無駄遣いになっています。

PADによる解決策

PADを使用してバッチ処理を自動化できます:

  1. バッチ処理の開始操作を自動化
  2. 処理の進捗を監視
  3. エラー発生時に管理者に通知
  4. 処理完了後の結果確認と報告を自動化

これにより、人手を介さずにバッチ処理を実行でき、夜間や休日の作業も効率化できます。

段階的なシステム移行の支援

課題:一括移行のリスクと困難さ

レガシーシステムから新システムへの一括移行は、リスクが高く、また実務的に困難なことが多いです。

PADによる段階的移行の実現

PADを活用することで、段階的なシステム移行が可能になります:

  1. 初期段階:PADを使用してレガシーシステムと新システム間のデータ連携を自動化
  2. 中間段階:一部の機能を新システムに移行し、PADで両システムを並行運用
  3. 最終段階:大部分の機能を新システムに移行し、PADでレガシーシステムの残存機能をカバー

この方法により、業務への影響を最小限に抑えつつ、段階的にシステム移行を進められます。

まとめ:PADを活用したレガシーシステムの延命と近代化

Power Automate for desktopは、レガシーシステムの延命と近代化において非常に有効なツールです。

データ連携の自動化、レポート作成の効率化、APIレス連携、バッチ処理の自動化、段階的システム移行の支援など、様々な場面で活用できます。

PADを戦略的に導入することで、莫大なコストをかけずにレガシーシステムの問題点を解消し、段階的に近代化を進めることが可能になります。

ただし、PADはあくまでも移行期の橋渡し役であり、最終的には適切なタイミングでシステムの完全刷新を検討する必要があります。

 

日本システム開発株式会社では日本システム開発株式会社ではPower AutomateとPADの双方において、ロボットの「開発代行」といった外注的なサポートや内製化をお手伝いする「伴走型サポート」、お客様の習熟度に合わせた「研修」など、様々なサービスを提供しています。

もし導入のご希望やお困りごと、Power Automate・PADに関するご不明点等ありましたら、お気軽にお問合せください。

 

また、2024年11月20日(水)に「Power Automate 入門セミナー」を開催いたします。
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